※このSSは赤兎のBirthdayからの続きです。
赤兎「みんなで一緒に帰るのって、楽しいねー!」
甘葉「……これが楽しそうな顔に見えるってのか?」
蒸籠「いやいや。むしろ一緒に帰らざるを得ないっていうか~……」
蜜雄「赤兎に誕生日プレゼントした『ぷちぺろちゃん』のぬいぐるみをみんなで運んでいるからな」
甘葉「ったく、豆柴! ぬいぐるみをこんなにプレゼントしたら、持って帰るのに不便だって何で気が付かねーんだ!!」
蒸籠「ってオレの所為かよ! みんな気が付いてなかったじゃん!」
蜜雄「いや、俺は気が付いていたぞ」
奈津「どうせ蜜雄の事だから、『聞かれなかったから』って事でしょ?」
蜜雄「む!? よく分かったな」
甘葉「『よく分かったな』……じゃねーよ!」
~(ぬいぐるみを蜜雄の顔面に押し付ける甘葉)~
蜜雄「ふがっ」
赤兎「うわー。みっくんのお顔が『ぷちぺろちゃん』になってるね!」
零児「ちょっ、赤兎くん! 喜んでる場合やないで! ぬいぐるみを顔に押し付けたら息出来へんやろ!」
赤兎「あっ、そっか! 甘ちゃん許してあげて。ぼくは、みんなで一緒に帰れてハッピーだよー!」
甘葉「ちっ! しゃーねぇな……」
蜜雄「……ふぅ。貴重な体験だった」
零児「蜜雄くんはポジティブやね……」
奈津「それにしても……高校生6人が可愛いぬいぐるみを持って歩く姿なんて情けないよね」
零児「大丈夫やで、奈津くん。自分が一番自然やさかいっ!」
奈津「黙れ零児」
~(ぬいぐるみを掴んだまま零児に向かって振りかぶる奈津)~
零児「ちょっ! ぬいぐるみで叩かんといて――ぶっ!」
赤兎「なっちゃんダメだよ! 可愛いぬいぐるみが重力によって不細工な顔になっちゃうから~」
奈津「あっ、そうか。赤兎のプレゼントなのに悪い事しちゃったね……」
赤兎「大丈夫! なっちゃんがぬいぐるみを持ってくれているだけで、可愛いくてナデナデしたくなるから~!」
奈津「言っとくけど……撫でた瞬間、零児と同じ目に遭 うからね?」
赤兎「えーっ、それくらい、いいじゃーん!」
零児「赤兎くん? ぬいぐるみよりも、わいの心配してくれへん?」
蒸籠「はいはい。馬鹿奈津はムキになりすぎだっつーのっ!」
~(奈津の頭の上にぬいぐるみを乗せて、蒸籠はその上から顎を乗せる)~
奈津「うわっ! ちょっと……おれの頭の上にぬいぐるみ乗せないでよ!」
蒸籠「へへっ! ちょうどいい高さだからなー。極楽極楽」
蜜雄「ほう? 俺も試してみよう」
蒸籠「げっ!? 今退くからやめ――ぐえっ」
奈津「…………お、おもっ」
零児「……お三方。ちんたら歩いてたら置いてくでー」
甘葉「置いてっていいだろ。もう暗くなってきたから、はやく届けて帰るぞ」
赤兎「そうだ! そのまま、ぼくの家に泊まっちゃえば?」
甘葉「ああ! 赤兎の家に泊まるのは久しぶりだな」
零児「せやけど、こんな大人数じゃ、ご両親に迷惑やないか?」
赤兎「男の子だし、その辺で雑魚寝すればいいんじゃない? ついでに家でもぼくの誕生日祝ってよ!」
甘葉「ったく。お前ってほんと我儘だな」
赤兎「えへへ! というわけだから……みっくん! なっちゃーん! せいちゃーん! いっくよー!」
赤兎「(ついでに、三万回のお祝いも……ってのは、後で教えてあげよっと♪)」
~完~